2000年より京都にアトリエを構えるデザインスタジオ。長年にわたり蓄積された経験で、服地図案をメインにインテリア・アパレル・和装等テキスタイル関連の幅広いジャンルの図案の制作を行っている。グラフィック技術の躍進、時代の変化により筆からマウスへと置き換わる中、社会の変化の空気を感じ取りながらも 流されないものを見つけ独特な雰囲気を持った、新しいデザインを生み出している。2014年よりVansのコラボレーションを開始。シーズンのトレンドを絶妙に落とし込んだオリジナルの図案を 毎シーズン書き下ろしている。
━ 2014 COLLECTION ━
記念すべき1stコレクション。Vansオリジナルのアロハ柄の図案を依頼。ヴィンテージハワイアンアートを落とし込んだアイテムが大きな話題に。また、70年代調のペイズリー柄や、フラワープリントを大胆に落とし込んだモデルも展開。
━ 2015 COLLECTION ━
カモフラージュ、ボタニカルプリント、幾何学模様などのトレンドをおさえた図案をGARAGELANDオリジナルデザインで展開。独創的かつ洗練されたコレクションに仕上がっている。
━ 2016 COLLECTION ━
VansxGARAGELANDのFrend Ship 2周年を記念し、GARAGELANDがアトリエを構える「京都」をテーマに オリジナルの落書き風アートを制作。清水寺・舞妓・大文字焼き・京都タワーなど、京都にゆかりのあるものをキャンバスの上に大胆に散りばめた、スペシャルな仕上がりになっている。2016年1月発売予定。
design studio GARAGELAND 代表取締役 松生 剛氏インタビュー
ー 松生さんのデザインの原風景や、原体験を教えて下さい。
父が京都で手描友禅の職人をしていたのですが、鉛筆片手に構図のバランスをとりながら草稿紙に下絵を描く姿や、絹織物の白布に筆で色を差している姿など、幼少の頃に意匠が出来上がっていくその工程を目の当たりにしたこと。そしてなによりも、柄を描いていくことでそれが生業として存在していると知ったこと。その頃の私はといえば、その父親の横で余った草稿紙を貰い、自分で想像した怪獣の絵を描いて周りの大人たちに見せては「上手だねー」と褒めてもらいひたすらひとり悦に入っていました(笑)。絵を描いて人に褒めてもらったり、喜んでもらったりというのは大きなことでした。
ー GARAGELANDを設立した経緯は何ですか?
その後、普通の四年制の大学に進んだのですが、趣味で描いていたイラストやライブイベントのフライヤー作りの楽しさが忘れられず、人づてに会っていただいたのが偶然テキスタイルの図案を描くアトリエの先生でした。そのアトリエでは本当にたくさんの経験をさせていただきました。そのうち図案を描くということをベースにいろいろ自分なりに幅を広げていきたいと、今から15年前に独立して、ひとりで始めたのがdesign studio GARAGELANDです。
ー 数多く幅広いジャンルのデザインを手がけていらっしゃいますが、デザインを手がける際に大切にしていることはありますか?
その意匠を手にした方々が喜んでいただけることをイメージすることでしょうか。図案でお手伝いさせていただいたプロダクトが、何処かでどなたかの日々の暮しのお気に入りアイテムに仲間入りすることは、やはりとても嬉しいです。
ー ご自身が関わられた図案が、どのように使われているのかというのは気になるものですか?
もちろんです。図案で関わらせていただいたお仕事に関しては、可能な限り出来上がったプロダクトは拝見させていただきます。テキスタイルデザインにおいて図案を描くことというのは、分業制の最も川上に位置する仕事のひとつです。携わった仕事が、どのような製品として世の中に出て行くのかを見届けることは大切なことです。Vans Japanの企画スタッフの方々は、いつもお会いする時に、デザインをさせていただいたシューズを見せてくださるので、とても有り難いですし、スタッフ一同テンションがあがります(笑)。
ー 松生さんにとってVansとは
音楽やファッションは十代の頃から大好きなので、昔からVansのシューズとりわけスリッポンは愛用させていただいていました。私にとってもVansはやはり皆さんと同じく、サブカルチャーのアイコン的存在ですし、なんといってもロゴマークが"OFF THE WALL"だなんて痛快です。一緒にシューズ作りが出来てとてもうれしく思っています!
ー 今後のGARAGELANDについて
有り難いことに様々なジャンルの方々に、プロ同士が組んでなにか面白いもの作りましょうよと、声をかけていただけるようになりました。これからも我々の意匠を喜んでくださる方々と、幅広く色々なお仕事にチャレンジして、そして現状どんどん減りつつある図案家の仕事を皆さんに知っていただきたいと思います。